2022-06

百人一首

忘らるる身をば思はずちかひてし人の命の惜しくもあるかな

あなたに忘れ去られる私自身のことは何とも思わない。 けれど、いつまでも私を愛すると永遠の愛を神に誓ったあなたの命が、 誓いを破った罰を受けて失われることが惜しく思われてなりません。
百人一首

白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける

草の葉の上に乗って光っている露の玉に、風がしきりに吹きつける秋の野原は、まるで紐に通して留めていない真珠が、美しく散り乱れて吹き飛んでいるようではないか。
随筆

植物とともに

ワンルームマンションのベランダで植物を育てている。ちまたでは、庭で植物を育てる人「ガーデナー」に対して、ベランダで植物を育てる人を「ベランダー」というようだ。令和3年の4月に初めて盆栽を買った。それまでは観葉植物を3つほど持っていただけであ...
百人一首

夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月宿るらん

とりわけ夏の夜は短いので、 まだ宵のうちだなあと思っていたら、もう明けてしまった。 月も西の空に沈むひまなどないはずだ、いったい雲のどこのあたりに宿をとっているのだろうか。