秋の田のかりほの庵(いほ)の苫(とま)を荒み 我衣手は露にぬれつつ
天智天皇
百人一首の第1番。
語句
かりほ・・・仮作りの住まい、仮小屋、仮に泊まる小屋。ここでは「刈り穂」、かった稲穂、の意味もある。
苫(とま)・・・菅(すげ)や茅(かや)を編んで薦(こも)のようにしたもの。舟や小屋のおおいに用いる。
つつ・・・接続助詞。反復、継続、余情・詠嘆。「繰り返し〜していることよ」
荒み・・・「み」は接尾語。「〜なので」の意。
歌意
秋の田の刈り入れ用の仮小屋の苫が荒く粗末なので、私の着物の袖は夜露に濡れ続けているのです。
作者
天智天皇(てんじてんのう)
第38代天皇。
舒明天皇の御子で、名は天命開別天皇 (あめみことひらかすわけのみこと) ,また中大兄皇子 (なかのおおえのおうじ) ,葛城皇子ともと申されます。
皇極4 (645) 年、中臣鎌足らとともに大化の改新を断行され、古代国家の基礎を確立されました。
近江大津宮に遷都され、天智7 (668) 年、この宮古に御即位されました。
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