春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山

百人一首

春過ぎて夏来にけらし
白妙(しろたえ)の衣(ころも)干すてふ(ほすちょう)天の香具山(あまのかぐやま)

持統天皇

百人一首の2番目の歌です。

語句

*来にけらし・・・
 来(カ変、連用形)
 に(完了、連用形)
 け(「けるらし」がつづまった形)(過去、連体形)
 らし(推定、終止形)

*白妙の・・・「衣」の枕詞

*干すてふ・・・「干すといふ」がつづまった形

*天の香具山・・・耳成山、畝傍山、と合わせて「大和三山」のうちの一つ。

歌意

春が過ぎて夏が来てしまったみたいです。夏に白い衣を干すという天の香具山。(天の香具山には白い衣が干してありますよ。)

作者

持統天皇
第41代天皇。
即位前の名を鸕野讃良皇女(うののさららのひめみこ)といい、
父は大化の改新を実行した中大兄皇子(天智天皇)です。
夫は中大兄皇子(天智天皇)の弟の大海人皇子(天武天皇)です。
天武天皇の死後、息子・草壁皇子が28歳の若さで死んだために持統天皇として即位しました。
飛鳥浄御原令の実施徹底をはかり、藤原京を造営して新しい都としました。
701年に制定した大宝律令は、
「律」(刑罰に関する規定)と
「令」(行政組織や租税・労役に関する規定)
が揃っている、我が国初の本格的な法典でした。
また、律令の整備に合わせて、
我が国の呼び方が「倭」から「日本」に決めました。

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