これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関

百人一首


これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂(あふ)の関(せき)
蝉丸(せみまる)

百人一首の10番目の歌です。
恋愛以外の歌は、百人一首では珍しいです。

語句

*これやこの・・・「これがあの」や「これがあの噂に聞くあの」などの意。
*行くも帰るも・・・「行く人も帰る人も」の意。「人」が省略されている。次の「知るも知らぬも」も同様。
*逢坂の関・・・山城国(現在の京都府)と近江国(滋賀県)の境にあった関所。この関の東側が東国とされていた。「逢坂」は「逢ふ」の掛詞。

歌意


これがあの、東国に行く人も東国から帰る人もここで逢ったり別れたり、知っている人も知らない人もここで逢うという逢坂の関なんだなあ。

作者

蝉丸(せみまる。9世紀の人か?)
生没年未詳。今昔物語には宇多天皇の第八皇子・敦実親王の雑色(ぞうしき。雑務をしていた下役人)とされているが、確かではない。また、盲目の琵琶法師だったという説もある。能に「蝉丸」という謡曲がある。

コメント

タイトルとURLをコピーしました