月見れば千々に物こそかなしけれわが身一つの秋にはあらねど

百人一首

月見れば 千々(ちぢ)に物こそ かなしけれ わが身一つの 秋にはあらねど
大江千里(おおえちさと)

百人一首の23番目の歌です。

語句

*千々に・・・際限なく
*もの・・・自分をとりまくさまざまな物事
*わが身一つ・・・私一人
*秋にはあらねど・・・「あら」は補助動詞「あり」の未然形、「ね」は打ち消しの助動詞「ず」の已然形、「ど」は逆接の接続助詞。

歌意

月を見るといろいろなものが際限なくもの悲しく感じられる。別に私一人のために秋がやってきたというわけではないのに。

作者

大江千里(おおえちさと)
生没年不明。平安時代前期の歌人。大江音人(おとんど)の子で在原業平、行平の甥。宇多天皇の詔により「句題和歌」を撰進。中務少丞(なかつかさしょうじょう)や兵部大丞(ひょうぶだいじょう)などを歴任し、博学で知られていたが、伊予国(現在の愛媛県)の権守(ごんのかみ)となったり、罪によって蟄居させられたり、官人としては不遇であった。

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