道路工事安全祈願祭

神事

道路工事をする際に、工事の安全を願って行うお祭りです。

この記事では、道路工事安全祈願祭の内容や意義について
現役の神職である私「杉の木教室」が解説します。

祈願の内容

道路工事安全祈願祭では、
・工事の安全
・完成後の道路の保全
・交通の安全
・清祓い

が、祈願されます。

まずは、神様に工事に至る経緯を報告します。
例えば、交通量が増えてきたので道を拡張するなど。

そして工事の発起人請け負う業者の名前を報告し、工事の安全
さらにはその道がいつまでも美しく人々の幸せを進めてくれるように祈願します。

準備物

斎場

・竹4本
祭壇の周りの四隅に立てます。
・縄
竹に縄を貼ります。
・テント
雨天や日差しが強い時の為にテントがあったほうがいいでしょう。

神饌

神様へのお供え物です。
・米
・酒
・魚(生の魚を用いたり、乾物を用いることもある)
・野菜(根のもの、葉のもの、地上に実るもの)
・果物
・塩
・水

祭神

神社ではなく一般の土地でお祭りをする際には、神様をお招きして行います。
祈願の内容によって、お招きする神様は違ってきます。

道路工事の安全を祈願する場合にお招きする神様を紹介します。

神名概要
大地主神 (おおとこぬしのかみ)まさにその土地、場所の神
埴山姫神 (はにやまひめのかみ)土の神
石土毘古神 (いわづちびこのかみ)石や土の神
八衢彦神 (やちまたひこのかみ)道路の神
八衢姫神 (やちまたひめのかみ)道路の神
道之長乳歯神 (みちのながちはのかみ)邪悪な物を防塞し、長い道中の安全を守護する岩の神

祭壇の方角

一般に東から南の間に向けて祭壇は設置します。
東から南に向けるわけですから、
私たちがお参りするときは、西から北に向きます。
神様に明るい方を見ていただくと考えるとわかりやすいです。

式次第

式次第概要
修祓(しゅばつ)斎場、お供え物、参列者をお祓いします
降神(こうしん)神様をお招きします
献饌(けんせん)お供え物を献じます
祝詞奏上(のりとそうじょう)祈願文を神様に申し述べます
清祓儀(きよはらいのぎ)工事の現場をお祓いします
玉串拝礼(たまぐしはいれい)玉串を奉りお参りします
撤饌(てっせん)お供え物を徹します
昇神(しょうしん)お招きした神様にお帰りいただきます
直会(なおらい)お供え物を参列者もいただきます

意義

道路は、社会の発展の土台、人々の幸せの土台だと考えられます。
なぜなら、多くの分野、人々に影響を与えるからです。

例えば、発展途上国を支援する場合、まずはじめに道路を作るそうです。
人々の往来を可能にし、社会が活発になるからです。

また、医療の分野では、ワクチンなどを輸送する際には「コールドチェーン」と言われるものが必要です。
ワクチンは熱に弱い為、輸送の際には冷蔵されていなければなりません。
その際に必要なのが、交通インフラや電力などの「コールドチェーン」と言われるものです。
これがなければ適切な医療が提供できずに、助かるはず命を失うことにもつながります。
よって、道路は医療の分野にも重要な影響を与えています。

日本では、当たり前のように道はたくさんありますが、
その影響は同じように多くの分野や人々に届きます
このような道路をきちんと作ることは、社会にとって大変重要なことです。

現在ある道路の数々が私たちの豊かなで安全な生活を支えていることに感謝をし、
先人たちの力を借りて、より良い未来の為に努力を積み重ねる。
このような想いを持つことが、道路工事安全祈願祭の意義であると考えられます。

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