英語の語順は、主語+ 動詞(助動詞)という順番だが、以下に説明する理由で、動詞(助動詞)+主語と順番が逆になることを倒置と言います。
倒置するかしないかにおいて例外もありますが、キーワードは
・否定語
・副詞
・形容詞
・動詞(助動詞)+主語
です。
強調のための倒置
否定を表す語句が文頭
副詞・副詞句
Never have I read such an interesting book.
私はこれまでこんなに興味深い本を一度も読んだことはない。
否定を表す語句を強調するために文頭に置く場合、動詞(助動詞)+主語と順番が逆になります。
=I have never read such an interesting book.
Little did I dream that I would see him in the library.
図書館で彼に会うなんて夢にも思わなかった。
little は「ほとんど〜ない」という準否定語です。
=I dreamed little that I would see him in the library.
Only when she arrived at a supermarket did she notice that she had left her purse at home.
スーパーマーケットに着いて初めて、彼女は財布を家に忘れてきたことに気づいた。
only は「〜だけの、唯一の」などの意味ですが、否定語の仲間と考えます。
=She noticed that she had left her purse at home only when she arrived at a supermarket.
倒置で使われる否定語句
- never 一度も(決して)〜ない
- little まったく(ほとんど)〜ない
- hardly / scarcely ほとんど〜ない
- seldom / rarely めったに〜ない
- not only 〜だけではなく
- not until ・・まで〜ない
- at no time 一度も〜ない
- on no account 決して〜ない
- under no circumstances どんな状況でも〜ない
Not only did he not study but he often skipped class.
彼は勉強しなかっただけでなく、しばしば授業をさぼった。
倒置の部分が否定の場合、not は倒置しません。
Not only didn’t he study…となることは、まれです。
=He did not only study but he often skipped class.
Under no circumstances must a baby be left alone.
どんな状況でも赤ん坊を一人にしてはいけない。
=A baby must be left alone under no circumstances.
目的語
目的語がno, not, little などの否定語を ともなって文頭に出た場合、動詞(助動詞)+主語と順番が逆になります。
Not a word did she say at that time.
あの時彼女は一言も話さなかった。
=She did not say a word at that time.
What he did I don’t remember.
彼がしたことを私は覚えていません。
こちらは否定語が文頭にはきていないので倒置しません。
補語が文頭
補語を強調のために文頭に置く場合、動詞(助動詞)+主語と順番が逆になります。
主語が長い場合によく倒置がおきます。
Happy are people who have hopes.
希望を持つ人は幸せです。
=People who have hopes are happy.
So great was his disappointment that he couldn’t stand for a while.
彼の失望はとても大きかったので、しばらく立つことができなかった。
=His disappointment was so great that he couldn’t stand for a while.
Such was her impression that she burst into tears.
彼女の感激は相当だったので、わっと泣き出した。
S is such that… 「S は相当なものなので・・」の構文は倒置することが多いです。
=Her impression was such that she burst into tears.
倒置しない例外の表現
Young though she is, she is very calm.
彼女は若いけれども、とても落ち着いている。
補語を文頭に置いていますが、倒置はしません。
主語が代名詞だと倒置しないという説明もありますが、理由は定かではありません。例外は存在します。
=Though she is young, she is very calm.
Tired as he was, he went to bed soon.
彼は疲れていたので、すぐに寝ました。
=He was tired, he went to bed soon.
場所や方向などを表す副詞、副詞句が文頭
Here comes Taro.
ほら、太郎が来たよ。
注意
Here he comes.
主語が代名詞の場合は、倒置しません。
Round the corner came a little cat.
角をまがって小さな猫がこっちにやってきました。
慣用的な倒置
So + V + S
So + V + S
前の内容をうけて「・・もまた〜だ」という意味を表します。
” I am sleepy. ” ” So am I “
「私は眠たいです。」「私も眠たいです。」
My father can drive a car and so can my mother.
私の父は車の運転ができるし、母もできる。
Neither [Nor] + V + S
Neither [Nor] + V + S
前の内容をうけて「・・もまた〜ではない」という意味を表します。
” I don’t like frogs. ” ” Neither [Nor] do I.
「カエルが好きではありません。」「わたしもです。」
Bob is not here today. Neither [Nor] is Tom.
ボブは今日はいません。トムもいません。
まとめ
例外があるので少しややこしく感じますが、キーワードは
・否定語
・副詞
・形容詞
・動詞(助動詞)+主語
から判断しましょう。
まとめ
「付帯状況のwith O + doing / done Oが〜して / しながら」においては、O とdoing / done が、主語と動詞の関係になっていることに注目しましょう。
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英作文
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