このたびは幣も取りあへず手向山紅葉の錦神のまにまに

百人一首

このたびは 幣(ぬさ)も取りあへず 手向山(たむけやま) 紅葉(もみじ)の錦(にしき) 神のまにまに
菅家(かんけ)

百人一首の24番目の歌です。

語句

*このたびは・・・「この度」と「この旅」がかかっている掛詞。
*幣・・・神に祈る際の捧げ物。木綿や錦、紙を細かく切ったもの。
*取りあへず・・・用意できなかった。
*手向山・・・旅の安全を祈る道祖神が祀られているところ。峠。
*まにまに・・・従って。思う通りに。

歌意

この度の旅はあまりにも急なことだったので、幣を用意する暇もありませんでした。代わりにとりあえず、この錦のように美しい手向山の紅葉を捧げましょう。神よ、御心のままに受け取ってください。

作者

菅家(かんけ)
菅原道真(すがわらのみちざね)。845−903年。参議是喜の子。宇多・醍醐天皇に信任され、35歳の若さで最高の権威・文章博士(もんじょうはかせ)となり、また54歳の899年には右大臣となる。しかし藤原時平の讒言により左遷され、九州・太宰府に流された。学問の神様として、全国の天満宮に祀られている。

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