随筆

絶対性の誤謬

長く興味を持って取り組んできた「存在論」。この世の物事はどのように存在しているのか、これを説明しようと多くの哲学者たちが語ってきました。「存在」とは、「変化するもの」であったり、「変化しないもの」であったり、「原子」でできていると言われたり...
百人一首

逢ふことの絶えてしなくはなかなかに人をも身をも恨みざらまし

もし逢うことが絶対にないのならば、かえってあの人のつれなさも、我が身の辛い運命も恨まなくて済むのに。
随筆

芝古墳

芝古墳
百人一首

あひ見ての後の心にくらぶれば昔は物を思はざりけり

あなたにお逢いして契りを結んでから後の恋しい心に比べると、昔は何の恋煩いもしなかったと同じくらい、取るに足らないものであったなあ。
随筆

畑に降る雨

私の職場の上司は畑を持っている。宮司の職を退いて名誉宮司となってから、それまで人に貸していた畑の一部を自ら耕すようになった。きゅうり、トマト、大根、ほうれん草、さまざまな野菜を育てている。収穫したものを頂くこともある。形は売っているものとは...
百人一首

契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山波越さじとは

契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山波越さじとは
随筆

美しい心から

精神科医である神谷美恵子著「本、そして人」には、私にとって刺激的な本や人が紹介されている。神谷自身も優れた作家であると思うが、彼女が影響を受けた人々も魅力的で才能に溢れている。  神谷が旅のさなか船を乗り間違えてしまったほど夢中になったギリ...
百人一首

恋すてふ我名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか

私が恋をしているという評判は、早くも広まってしまった。 誰にも知られないように、心ひそかに恋をしはじめたばかりだったのに。
百人一首

忍ぶれど色にいでにけり我恋は物や思ふと人の問ふまで

忍(しの)ぶれど 色にいでにけり 我恋は 物や思ふと 人の問ふまで平兼盛(たいらのかねもり)百人一首の40番目の歌です。 語句 *しのぶれど・・・「しのぶ」は、バ行上二段活用動詞「忍ぶ」の已然形で「耐える・我慢する」の意。「ど」は、逆接の確...
随筆

つながり

神職には定期的に研修というものがある。神職としての教養や技能を高めるために講義や指導を受けるのである。私のようにまだまだ修行中の神職は研修で学び、その能力を伸ばさなければならない。先日は雅楽研修会というものがあった。1000年以上昔から日本...