いつから神道は始まったのか?
日本には約8万社の神社があります。
神社には神様がお祀りされており、そこでは神事がおこなれ、人々が祈りを捧げます。
このような神社を中心とした日本の神々への信仰を神道と言います。
では、神道はいつから始まったのでしょうか。
残念ながら神道の成立時期を特定することはできず、その起こりは推察することしかできません。
ここでは縄文時代まで遡り、
・狩猟
・稲作
・共同体
・自然崇拝
・精霊崇拝
・祖先崇拝
以上をキーワードとして解説していきます。
縄文時代 狩猟 自然崇拝
今からおよそ1万年前、地球の気候は穏やかになり、日本列島も現在に近い自然環境になっていきます。
日本は、アジア大陸の東に位置し、狭い国土ながらも海・川・山・谷・平野があり地形の変化に富み、総面積の約70%が森林に覆われています。
気候も1年を通じて比較的温暖で、およそ3ヶ月ごとに春・夏・秋・冬と季節が循環します。
このような環境の中、狩猟を中心とした縄文文化が形成されます。
人々は水辺に近い台地に集落を営み、竪穴住居に住みました。
狩猟という自然との深い関わりを持った生活の中で、具体的に接した自然物や自然現象のうちに、人の力を超えた威力、神聖性を感じさせた対象を畏怖し崇拝しました。
これを自然崇拝と言います。
そして、呪術などの祭祀を行い災いから逃れ、より多い採取がもたらされるよう祈りました。
弥生時代 稲作 精霊崇拝
中国大陸ではじまった稲作は、今からおよそ3000年から2700年前、縄文時代の終わりころに日本に伝わりました。
紀元前4世紀初めには、西日本に水耕農作を基礎とする弥生文化が成立し、やがて東日本にも広まります。
収穫物は掘立柱の高床倉庫に納められ、日本列島の大部分が狩猟から稲作、食料貯蔵の時代に入りました。
また、機織り技術も大陸から伝わり、勾玉作りなど様々な技術の発展が見られます。
人々はそういった高い技術で作られた物のに対しても崇拝するようになりました。
その中でも鏡、剣、勾玉はとくに神聖視をされ、それらの中に宿る魂、古い書物の中では、「霊」の文字で表されるタマ、モノ、ヒ、チと呼ぶ精霊に対して崇拝しました。
これを精霊崇拝と言います。
共同体 祖先崇拝
稲作では、開墾や水路の確保など、狩猟生活よりも一層の共同作業が必要です。
共同作業の中にはリーダーが生まれ、そのリーダーに対する尊敬の念が存命中からあり、そしてその死後に浄化され、崇拝されるようになりました。
また、社会の分業化が進み、同一職業集団の祖、または地域開拓の中心人物も、その死後に崇拝の対象となっていきました。
まずは、こういった功績のあった先祖に対する崇拝から始まり、のちにすべての祖先に対する崇拝へと変わっていきます。
これを祖先崇拝と言います。
まとめ
このように人々の生活が、
狩猟
稲作
共同体
へと変化していく中で、その崇敬の対象も
自然崇拝
精霊崇拝
祖先崇拝
へと変化し、広がっていったのです。
このようは変化は世界各地で見ることができます。
しかし、それがしだいに特徴ある儀礼や、信仰内容を形成していき、
現在のような神社を中心とする神道になりました。
コメント