随筆

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モーニングページの変化

 モーニングページをずっと書いている。朝起きて一番に、頭の中にあることをすべて書き出す、これがモーニングページだ。誰に読ませるわけでもないので、何を書いてもいい。むしろ読ませてはいけないそうだ。例えて言うなら、頭の中の掃除だ。部屋の掃除をするときは、とにかくいちど部屋の中のものをすべて出してみると、綺麗に掃除できて整理整頓ができる。それと同じように、頭の中を綺麗にする感覚だ。朝一番でするので、その日1日中、気持ちよいまま過ごすことができる。1年以上続けているが、ほとんど気持ちよい日を過ごしている。モーニングページのおかげだと思っている。
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柄谷行人の「交換モデルX」における宗教と科学についての随想

台湾行政院デジタル担当政務委員のオードリー・タン氏の著書に気になる言葉があった。「交換モデルX」。どんなものかは全く想像がつかなかったが、興味が惹かれた。というのもオードリー・タン氏の著書は刺激的で示唆に富んだ内容であったからだ。  台湾に...
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新聞

最近になって、新聞を購読し始めた。きっかけは、行きつけの美容師さんとの会話だ。なんの話をしていた時か忘れてしまったが、「私のお客さんで税理士の人がいるんですけど、その人は毎朝5時に起きて、日本の新聞5紙と海外の新聞もいくつか目を通すんですっ...
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盆栽

僕は盆栽初心者である。小さな盆栽を買ってきては、眺めてニヤニヤしている。盆栽が元気になれば僕も元気になり、元気がなくなれば僕も枯れてしまう。一喜一憂し、盆栽に振り回されているヒヨっ子盆栽愛好家なのである。
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神社が重要な理由

とある仕事関係の業者の方からこんな質問をされた。「僕ら、神社さんと仕事させてもらって、神社のことを大切に思って、守っていくお手伝いをさせていただいてますけど、そもそも、なんで神社を守らないといけないんでしょうかね。もちろん、守りたいと思って...
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モーニングページから随筆へ

 頭の中にあるものを書き出したモーニングページ、それらに筋をつけて随筆となり、他者と対話したりすることによって考えは成熟し完成していく。そしてまた、声に出すことにより、他者の心へと届き、影響を与える。さらに神に捧げる祈りともなる。ふとした独り言のようなモーニングページが、芸術になり、そして宗教になる。少し大げさだが、このように考えた。そして思いついたのは、この事は「お茶を飲む」という俗事を同じように芸術、宗教にまで高めたものである茶道と、アナロジーになる可能性を秘めてはいないだろうか。欧米に茶道を広めた明治時代の思想家、岡倉天心は、その著書「茶の本」の中で茶道をつぎのように言い表している。「茶道は日常生活の俗事の中に存する美しきものを崇拝することに基づく一種の儀式であって、(中略)茶道の要義は『不完全なもの』を崇拝するにある。」独り言のようなモーニングページという俗事の「不完全なもの」が、どんどん洗練されて芸術や宗教になっていく。そんなふうになればいいと、望みを高く持った。不安はぬぐえないが、とにかく進んでみる。言葉にまつわるものが筆から流れ出た。